2022年のビッグニュースといえば
やはりステラ・イグジストのモデルチェンジ。

前回のモデルチェンジと同様に2大メーカーのフラグシップが同時にモデルチェンジするとあって、新機構や性能の違いなどに注目が集まっています。
今回はこの2機種の注目ポイントにフォーカスしていきたいと思います。


360°VIEW

画像上で左右にマウスでクリックすると、好きな角度から製品を見ることができます。徹底的に両製品を見比べてみましょう!もちろんズームも可能です!


ステラは部品形状の最適化や、ヨレや糸落ちを防止する新構造などが追加され、前回モデルからの進化を感じさせるデザインです。
カタログ画像ではガンメタの落ち着いた色に見えますが、実際はやや青みがかった明るめのガンメタとなっております。デザイン自体には確かに歴代ステラの流れが見られますが、その中でも、カラーは今でもファンの多い07ステラを彷彿させます。また、かつてのステラに搭載されていたスローオシュレートの進化版が復活するなど、今回は歴代のステラユーザーの方にとっても特別な一台となっています!



イグジストは一目見ただけでも印象に残る、刷新されたその斬新なデザインが特徴的です。特に外観上にビスが見えないようにしたことで、曲面を活かしたフルメタル基調のデザインとなっている点は、今までのダイワ製品にはなかったものです。また、エアベールも進化し小径化したことで、より洗練された印象があります。奇をてらったデザインというわけではなく、無駄をそぎ落としきったその姿は、道具としての原点回帰的な側面と先進性を併せ持つ、まさに唯一無二の存在感です!




〈Point 1〉
スローオシュレートの復活
スーパースローオシュレートへ


歴代のステラユーザーにとって今でも話題となる機構が、ミレニアムステラ~04ステラまでに搭載されていたスローオシュレート。この機構により密に整列してまかれた糸の放出速度は圧倒的で、飛距離ドラグ性能がこれまでのリールと比較してもはるかに優れていました。



今でも、飛距離やドラグ性能はスローオシュレートモデルが最高だった、と言わるようなコアなファンが多いモデルです。
反面、この密巻きにより、あまりにもスムーズに糸が出ていくため、糸の放出が制御できない、とトラブルの多かったモデルとして挙げられる方もいらっしゃいます。今でも、ステラファンの間では賛否について話題となるモデルですが、スローオシュレート自体は、糸の放出を向上させる他の機構(AR-Cスプール)の登場により封印となり、07ステラ以降は非搭載となっています。



その後モデルチェンジごとに進化していく中で、放出されるラインの制御技術が大幅に進化し、今回22ステラで満を持して“インフィニティループ”として15年ぶりの搭載となりました。特に今回搭載されたアンチツイストフィンによる糸巻き時のブレの少なさや、スプール形状の最適化の効果は大きく、以前よりさらに超密巻きで、よりスムーズな糸の放出となっていながら、ライントラブルも同時に解決しました。


〈シマノTV公式チャンネル〉


▼アンチツイストフィン作用時の状況▼


動画で見ると、釣り人泣かせのトラブルが解消する状況がはっきり。特に糸がらみがほどけていく様子は魔法を見ているようです!


キャスト時の糸のばらつきや振動も減り、抜けるようなキャストフィールを獲得。またドラグ作動時にもスムーズにラインが送り出され、これまでも評価の高かったステラシリーズのドラグ性能がさらにレベルアップしています。このような経緯もあり、今回モデルチェンジしたステラに対しては、歴代のステラファンから、感慨深い、思い入れが深い、という声も多く上がっています。


〈Point 2〉
オシュレートの低速化に光る技術

単にオシュレートを遅くするといっても、そこには非常に難しい技術が必要です。
特に、18ステラでは3つのパーツ構成となっていた変速ギアが、22ステラでは4つとなり、その分くみ上げも非常にシビアとなっております。さらに部品自体のわずかな公差もある為、単純に組み上げただけではステラクオリティの回転フィーリングにはなりません。組み上げ時には微妙なクリアランスを最適化しながら組み上げていくのです。部品もパーツリスト通りとは限らず、微調整のためのシムリングなど細かなパーツの調整は個体ごとに異なります
勿論、従来のステラも同様に組み上げられていましたが、22ステラは特に変速ギアの部品点数が増えシビアな調整が必要となっています。単に部品をくみ上げたのみではステラとはならず、専門のスタッフが微細な調整を行いながら組み上げられることで初めてステラクオリティとなるのです!
ステラを巻いた方が口々に言われる「ヌル感のある巻き心地」「巻いているだけで気持ちいい」そんな表現は、最新の技術だけでなく、組み上げる“職人の技”も光っているのです。





〈Point 1〉
イグジストオーナーの特別プログラム


22イグジストにはこれまでにはなかった出荷検査合格証(品質保証書)が同梱されています。これはファクトリーの中でも限られたイグジスト特別認定検査員だけによる「クリアランス」や「作動音」から「外観」に至るまでの厳正なる全検査をクリアした証となります。
徹底したこだわりを持って組み上げられたフラグシップはそのアフターサービスも別格となっています。



また、イグジストの修理・メンテナンスには熟練したスタッフの中でも更に選りすぐりの技能者のみが任命されるマイスターが対応します。
さらに、オーナーの為の「イグジストアフターサービスプログラム」を新設し、以下のサービスを導入予定です。

・回転時の微妙な感触や違和感など、デリケートな使用感に関する事象などについてオーナーへマイスターが直接応対するリールカウンセリング
・本格的メンテナンス前のオイルアップやグリスアップおよびリールの状態チェック、オイルチェックの定期点検サービス(クーポン発行後5年間)
・初回オーバーホール手数料無料サービス(クーポン発行後2年間)


さらに今後は、

・ダイワアプリ内でイグジストのオーナーページを設け、今後、特別な企画やサービスを順次ご提案。
・お客様センターでもイグジストのみの専用窓口を設けイグジスト専任担当が対応。


などが予定されています。


実は製品のパッケージにも大きな変更があり、今回初となる専用パッケージに梱包されて出荷されています。これは、リールを保護するクッション性能が高いことはもちろん、オーバーホールや点検・メンテナンスの配送時にも大切なリールを衝撃から守り、繰り返しの使用可能な保護ケースとしても使えるようになっています。



フラグシップオーナーの方に対して、特別なサービスをご利用いただきながら永くご使用いただきたい、ご購入後からオーナーとEXISTストーリーが始まる、というメーカーの考え方が伝わるパッケージとなっています。


〈Point 2〉
ダイワリールの最高峰・最先端

イグジストはレーシングカーに例えられることが多いリールです。
それはモデルチェンジのたびにその時代の最先端技術を搭載し、常に最新かつ実戦仕様を追求してきたという歴史がユーザーの間でも共通認識となっていることにあります。
また、最新の素材を使い、軽さや操作性も徹底して研ぎ澄まされたイグジストから、他のモデルにフィードバックされていく流れをレーシングカーとスポーツカーの関係のように例えているものでもあります。
今回のイグジストでもその考え方は不変となっており、最軽量の部類だった18イグジストから、さらにローターやスプールなどのフロントユニットの徹底した軽量化を行っています。構造や部品形状の見直しも並行しつつ強度を落とさないぎりぎりまで軽量化が施されています。しかし、それは単なる軽量化ではなく、リールバランスの向上、巻き出しの軽さ、スッと巻いてピタッと止める回転レスポンスの向上が図られているところが、イグジストがイグジストである所以なのです!




TECHNOLOGY

ステラ


3つのインフィニティを纏いさらなる高みへ



確かな設計・製造技術による
圧倒的なギアの耐久性!


インフィニティクロス


・ドライブギアとピニオンギアの噛み合う接地面積が向上。
・従来設計と比べて耐久性が約2倍※に。
※シマノ社基準ギア耐久テストによる。


ライン放出抵抗大幅低減
抜けるようなキャストフィール


インフィニティループ


・密巻きを超えた"超"密巻き。スプールが上下動する速度を圧倒的に低速化。
・キャスト時の放出抵抗を大幅に削減し、抜けるようなキャストフィール、スムーズなラインの送り出しを実現。


常に主導権を握れる
パワフルな巻き上げ


インフィニティドライブ


・メインシャフトの支持をピニオンギアから特殊低摩擦ブッシュに変更。
・メインシャフト自体に特殊表面処理や特殊加工を施し摺動抵抗が大幅に軽減。
・高負荷でも積極的に巻き上げられるリールへと進化。


より快適な釣りへ
ライントラブル抑制構造


アンチツイストフィン


・ラインローラー部に近接するように弾性体のフィンを設置。
・ラインのたるみを抑え、スプール下部へのラインの脱落や、ラインが寄れた状態で巻かれるのを防ぐ。


圧倒的な耐摩耗性
滑らかかつ安心のドラグ性能


DURAクロス


・新素材による新しいドラグワッシャー。
・滑らかなドラグ性能はそのままに、耐摩耗性を10倍以上に向上。



イグジスト


エアードライブデザイン・フロントユニットの軽量化による
軽快な巻き心地と高次元の操作性



〈ダイワ史上最軽量、低慣性ローター〉


・ローターユニットで約16%の軽量化(2500番比較)。
・スッと回せてピタッと止まる、回転レスポンス・操作性の高さを獲得。


〈さらにトラブルレスへ〉


・従来のエアベールの強度を維持しつつ更に小径化。
・ベール傾斜角度も見直しラインがスムーズにラインローラーへ。


〈スペック追及の機能美〉


・不要な肉を徹底的に削ぎ落とした薄肉設計。軽量化だけでなく、操作性や巻き出しレスポンスも向上。
・下部のネズミ返しでラインの巻き込みを防止。
・ドラグも音質や作動抵抗の少なさにこだわった新機構を搭載。


〈静粛で上質、なのにトルクフル〉


・ピニオンの両端をベアリングで支持しパワーロスを削減。
・メインシャフトを高精度なカラーで支持し、ノイズを徹底排除。




両モデルとも今回のモデルチェンジでは大きな進化を感じさせるものとなっております。
ステラは歴代シリーズに共通する、堅牢性の高さと精密な部品による回転フィール、圧倒的な巻き心地のよさを、今回もしっかりと踏襲しております。数々の新機能を採用しながらもコンセプトはぶれず、ユーザーが気持ちよく使える、スペックには表れないフィーリングを重視したそのコンセプトは、唯一無二、世界一といわれる方が非常に多い所以ではないでしょうか。そんな熱狂的なユーザーの多いステラですが、今回は、歴代シリーズの中でも大きな進化がみられる、一つの到達点といえるモデルではないかと思われます。
特に、今でも話題となることが多いスローオシュレーションの復活は、歴代のステラファンにとってはビッグニュースとなっています。現時点ではキャスト時の糸の放出についてよく語られていますが、糸が滑らかに出るということは旧モデルでも圧倒的に評価の高かったドラグにさらに磨きがかかるということにもなります。
また、イグジストはスペックや操作性への強いこだわりを感じます。特に今回軽量化されたローターについて、メーカーHPでは重量のあるローターに対して「重さにより慣性力で回転が維持され、回転フィールがいいという錯覚を生むこともある」とまで書いており、巻き出しの軽さ、止めたいときにピタっと止まる回転レスポンスへの並々ならぬこだわりを感じます。またアフターサービスも今後はイグジストオーナーだけのサービスも始まる為、これまでにない所有する歓びも感じられるモデルといえるのではないでしょうか。
ぜひ発売後は両商品ともお手に取って、それぞれのメーカーの最先端をご体感ください。